大王が一生の大願として仏教の法会を開催することになった。しかし金剛醜女は“醜きが故に”参加しなかった。参加させられなかったのではない。自らしなかったのだ。もうこのころには、姫は自分の容姿がいかに人を不快にし、それによって自分も惨めな思いをするか、骨の髄までわかっていたのだ。ところが。大王の長女である姫が参加しないのを不審に思った諸大臣は、姫の夫である大臣を泥酔させて部屋の鍵を奪い、召使に室内の様子を見に行かせた。それを知った姫は、部屋の中でひとり、嘆き悲しんで言った。「仏さま、お願い。私の姿を今すぐ美しくして、父の法会に参加させてください」醜いために父によって人目から隠され、身分の低い夫にもうとまれ虐げられて、もはや容姿のことも自分の人生もあきらめていたかに見えた姫は、追いつめられて、「美しくなりたい」と叫んだ。姫の叫びには、信仰を超えた、人間の素直な欲望がこめられていよう。
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