今や低公害車の代名詞ともなったハイブリッド車「プリウス」。世界初の量産ハイブリッド車には、トヨタ自動車の環境戦略が凝縮されている。初代プリウスの発売日(1997年12月10日)は、京都議定書が採択される前日に設定された。215万円という価格は、当時、開発コストを含んだ原価の半分以下ではないか、といわれた。従来モデルにハイブリッド車を追加せず、専用モデルとしたのは、低公害車であることがひと目で分かるからだ。
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トヨタの思惑通り、米国ではプリウスに乗ることが「環境セレブ」の証となった。ハリウッドの大スターがアカデミー賞授賞式にプリウスで乗り付ける模様は全世界に流され、トヨタは世界中に「環境重視」のイメージを定着させることに成功した。燃費とは無縁に見えるモータースポーツも、トヨタには環境戦略の舞台となる。2007年7月に北海道で行われた「十勝24時間耐久レース」。トヨタは、スポーツカーの「スープラ」をレース用に改造したハイブリッド車で総合優勝した。ハイブリッド車が本格的なレースで優勝したのは世界で初めてだった。前年の同じレースは、高級車の「レクサスGS」のハイブリッド車で初参戦したが、惨敗した。ハイブリッドシステムは大幅に改良され、ブレーキ時に発生するエネルギーをより効率的に使って充電できるようにした。燃費が良くなり、燃料補給のためのピットイン回数が減ったことが圧勝につながった。トヨタは好結果を受けて、10年のルマン24時間レースに、ハイブリッド車で参戦する方針だ。