容積率の緩和で、玄関やバルコニーが改善された

2011.08.11

1997年に、都市計画法と建築基準法の一部改正がありました。当時の社会は、規制緩和が叫ばれていましたが、テーマは容積率(その土地にどの程度の延べ床面積の建物が建てられるかの数位)を緩和するふたつの内容でした。そのひとつが、共用廊下や階段は容積率に参入しないというものです。この規制緩和の恩恵は、玄関に表われました。門扉つきのポーチやアルコーブが盛んに造られるようになったのです。プライバシーが高められるなどのメリットがあるので、買い手にはうれしい恩恵です。容積率の緩和のもうひとつは、簡単にいうと高層住宅をより高く造れるようになったということです。これは、次の時代に入ってから、都心にタワーマンションが増える結果を生み、都心回帰に拍車をかけることになりました。またこの時代は、高さを誇るタワーや、新しい億ションを生み出した都心のタワーが、話題のマンションになりました。日本一高いタワーマンションとなった、55階建ての「エルザタワー55」(埼玉県川口市)。2005年時点でも日本一が完成したのは1998年のことです。子育て世代向けのコミュニティー空間を多く設けた、首都近郊のタワーマンションでした。「リバーシティ91」・センチュリーパークタワー」(1999年)や「代官山アドレスザ・タワー」(2000年)は、都心に立地し、デザイン性の高さや共用施設の充実、24時間有人管理などの高級路線で話題を集めました。閑静な住宅街の高級マンションという、従来の億ションのイメージを変える、新しい億ションのスタイルを生んだのも、この時代の商品企画力ならではといえるでしょう。