カントの教育論

2011.04.06

カントの教育論の端緒は、「人間とは教育されなければならない唯一の被造物である」(岩波書店『カント全集』17「教育学」217頁)という思想から始まる。動物は、生来の本能によって生き、その生活様式は多くの世代を通じて一定の特徴を保持しているが、未開の状態で生まれてくる人間は、教育をとおしてこそ人間のなかに備わっているさまざまな素質を発展させ、それによってはじめて人間になることができるのである。このことは、「人間は教育によってはじめて人間になることができる」(221頁)というカントの言葉に端的に表れている。したがって、われわれがなさねばならないことは、人間の自然に備わっている素質を調和的に発展させ、そのさまざまな萌芽から人間性を展開させるとともに、人間がその使命を達成するように仕向けるという教育なのである。
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