鉱山のことまで詳しくなくても構いませんが、牛肉においてもアメリカンビーフかオーストラリアビーフか、松坂牛かで価格も表示も違いますね。宝石においても、数種類のものは産地によって価格にも品質にも違いがあるものです。素人のお客様には見分けはつきにくいのですが、スタールビーにはビルマ産とベトナム産があります。この2種類は価格差も数倍から数十倍もあり、取り扱いも相当違ってきます。このように価格差や取り扱いに重要な違いがあるものには値札に表示があり、販売員がある程度答えてくれるのであれば、かなり信頼しても大丈夫でしょう。先日、大分の洋装店の宝飾販売のお手伝いに伺った際、初めてご来店いただいたお客様が10ct近い大粒のインド産バイオレット・スターサファイアのリングを指にはめておいでになりました。「このルビー、あなたの目で見てどんなものかしら?去年、地元のデパートの外商に、色は多少落ちますが、大粒でスター効果の最高のルビーだからぜひにと勧められて買ったの。でも100万なら安いでしょう?」とたずねられました。宝石のプロなら誰が見てもバイオレット・スターサファイアにしか見えない宝石を、そのような法外な価格で購入されたお客様に同情すると同時に、地元の老舗の有名百貨店ということで信用されている善良なお客様を欺くようなデパートに憤りを禁じ得ませんでした。同じサイズのビルマ・スタールビーと比較すれば、数十倍から数百倍の価格差があっても不思議ではない商品を販売している訳で、このデパートが本当にビルマ産ルビーと偽って販売したのであれば、詐欺同然と申し上げても過言ではないでしょう。