夢の全身美容整形

2011.03.31

姫の変身のさまも、原話では劇的で詳細だ。危機に瀕した姫が懺悔して祈ると、地面から仏が涌き出てくる。まず仏の髪が現れ、それを見た姫が歓喜すると、姫の髪も仏のように細く柔らかい髪に。次に仏の顔が現れるのを見た姫がまた歓喜すると、姫の“悪相”は消滅し、仏のように端正な顔と、みずみずしい肌に。やがて仏の全身が現れると、姫はますます歓喜し、それに伴って姫の体も天女のように端正で美しくなる。と、地面から少しずつ現れる仏の姿を見るたびに、その容姿が姫の体に次々とコピーされていくという、スペクタクルな展開になっている。何しろ見るだけで、仏の美貌が自分にコピーされるのだから、レーザー治療よりお手軽安全な、夢の全身美容整形だ。この原話がインドで作られたのが二世紀ごろ。中国で訳されて経典となったのは三世紀とか五世紀のことだから、昔から変わらぬ美への女の憧れを思うと感無量になる。同時に、仏を信じれば、ブスでも美人に変身できるなどという話で信者獲得を狙うのが仏教だったと思うと、仏の教えも急に身近なものに思えてくる。
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